2009年1月1日木曜日

平成21年「己丑(つちのとうし、きちゅう)」元旦

この前の己丑は1949年、その前は1889年。いずれも日本は混乱の後で「普請中」の時代。いろいろたいへんだった。干支が回って、今もう一度あの時代の精神が求められる年と言うことかも知れない。丑の年でもある。当時漱石は「日本は黙々と牛の如くせよ」と書いた。今年は牛の如く行こう。ひょっとしたら左の絵みたいにいい思いをすることになるか。





漱石ロンドン留学日記(明治34年3月21日)より:
英人は天下一の強国と思えり。仏人も天下一の強国と思えり。独逸人もしか思えり。彼らは過去に歴史あることを忘れつつあるなり。羅馬は亡びたり。ギリシャも亡びたり。今の英国・仏国・独逸は亡ぶるの期なきか。日本は過去に於いて比較的満足なる歴史を有したり。比較的満足なる現在を有しつつあり。未来はいかがあるべきか。自ら得意になるなかれ。自ら棄るなかれ。黙々として牛の如くせよ。ししとして鶏の如くせよ。内を虚にして大呼するなかれ。真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行え。汝の現今にまく種は、やがて汝の収めるべき未来となって現れるべし。

漱石日記 (岩波文庫)

謹賀新年。今年もよろしく。

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